久しぶりのイタリア製万年筆の購入です。6月半ばに注文して届いたのは8月末で二カ月半かかりました。理由は、ニブ点検で左右イリジウムのアンバランスと、その結果の筆記時のカスレが見つかり、最終的にニブ交換となったためです。
約二カ月後に届いたペンは、アズアに近い海の色に渦巻き状のパターンが海流を思わせて美しく、スチールニブは引っかかりもなくフローも問題ありません。
これまでスチールニブは書き味に満足しないものが殆どで、金ペンでなければと思い込んでいたのですが、数カ月前によい書き味のスチールニブを体験してから考えが変わりました。お財布にも優しい選択が出来てよかったです。
イタリア製万年筆は美軸で高価、にもかかわらずそれを裏切る残念な品質管理という印象をもっています。セルロイド軸が溶けたり、またインクフローが極端に悪いなど、ショックな体験もしばしば。軸は美しくしかも高価なので、それを裏切る品質には信じられない気持ちでした。気候の違い、湿度などの自然環境の違いも影響があるかと思いますが、それにしても。文化的な要素や工業製品に対する考え方の違いなのか、よくはわかりません。憶測ですが、プライオリティとして美的であることを優先する一方で、工業製品としての精度ー万年筆の素材や機構の精密度には二次的なプライオリティしか置いていないという、文化的な一面もあるのでしょうか。
そのようにしてイタリア製万年筆に対してはラブ&ヘイトの感情があり、ここ数年は遠ざかっていたのですが、Leonardoのことを知り、同時にこのお店のことも知りました。購入前に丁寧な検品の提供があれば少なくともペン先の不具合は避けられると思えたので、久しぶりのイタリアペンの購入に至りました。
私は製品の検品はイタリア製万年筆には必須だと考えており、それなくしては安心して買えません。また、検品してから販売するとしたことは、消費者目線に立った素晴らしいサービスだと思います。ご自身万年筆愛好家と仰っていますが、愛好家ならではの発想であり、顧客サービスであると思います。
昨今の為替変動など、経営には難しい面もあると思いますが、引き続きお店を通して、イタリア製万年筆ファンを支えていってほしいと思います。今回はありがとうございました。