Il Duomoは「筆記によってあなたの人生をより豊かに、上質に」をコンセプトに掲げ、ヨーロッパ万年筆や文具を輸入・販売するお店です。正直言って、Il Duomoの扱うペンたちは決して安くありません。しかし、質の高いペンは人々を素晴らしい筆記によってより良い道へ方向を示してくれる役割を果たすと思っています。
「このペンで手帳を書いて、時間管理をうまくしよう」
「このペンで字の練習をして、美しい字をかけるようになろう」
「このペンでノートを書いて、やりたいことを整理しよう」
など、きっと良いペンを買う時、人はある種の希望と理想を追い求めています。
Il Duomoの販売するペンたちに込められた「良い人生への祈り」のようなものを、社会に還元したいとIl Duomo店長は常々感じてきました。
そんなとき偶然出会った学生が立ち上げたNGO「Tumaini nyumbani「トゥマイニ・ニャンバーニ」。 アフリカ・ケニアのスラム街のシングルマザーやエイズ孤児を支援する団体で、現地のマザーたちが作る手作りの編みバッグを輸入し、イベントやネットショップで販売して、支援活動に充てています。
ケニアのスラム街では、エイズや貧困による負の連鎖が拡がっています。貧困による知識の低下で臨まない妊娠・出産そしてエイズになるシングルマザーが増加しており、それに伴ってエイズ孤児となり、ストリートチルドレンになったり、親戚をたらい回しにされる子供も多いのです。
「Tumaini nyumbani「トゥマイニ・ニャンバーニ」は現地のNGOと手を組んで、そんなシングルマザーたちにエイズの啓蒙活動をしたり、シングルマザーの職づくりとしてバッグの製作・販売を行っています。
こうした小さなNGOは多々ありますが、どこも資金繰りには苦労しています。
Il Duomoとしても何かできないか考え、売り上げの一部の献金と、もし要望があれば知識の提供〔プロボノ〕をしよう!と決心しました。
Il Duomoの名前の由来はイタリアにある教会堂の呼び名です。こちらの記事でも説明していますが、コミュニティスペースとしての教会、ともに助け合う場としての教会のような存在になりたいとの願いです。
Il Duomoが主に扱っている万年筆はイタリアが多いのですが、イタリア国教はご存知ローマン・カトリック。その聖書の中の場面で、The Widow’s Offeringーつまり「やもめの献金」というのがあります。
こんな話です。
当時のユダヤ社会は給料の1割を神殿へ献金することが求められていました。お偉い様たちが給料の1割の献金をしているときに、みすぼらしい未亡人(やもめ)の女性がやってきて、小銭を献金箱へ入れます。お偉い様がたはその姿をみて、「貧乏人はあれっぽっちしか献金できない。俺様はこんなにもたくさん献金しているのに!」と言っていばります。
そこへイエスが現れて、「そんなことはない、お前たちはたくさんのお金の中のたった1割しか献金していないが、あのやもめは小銭ではあるものの、全財産を献金したのだ。だからやもめの献金した方がお前たちより多いのだ。」と説教する。
寄付したからといって奢ってはならない、という戒めであったり、やもめのように生活に困っていても尊ばれる行為はできるという理想であったり、とにかく身につまされる説話です。
このやもめのように全財産を献金することは難しいのですが、たくさんの方から少しずつ頂くお金をまとめてIl Duomoが寄付しているような感覚で、寄付したいと思っています。
もしかしたらこのページをご覧にならずにご購入される方も多いかと思いますが、知らず知らずのうちに寄付が出来ているというのもまた乙なもの。お金が違った役割をもって、アフリカへ羽ばたいて行ってくれることを願いながら、今日も万年筆を気持ちよく販売できるIl Duomo店長です。
また、このNGOの活動報告や寄付情報、皆様のお金がどんな使い道で使われたのかなど随時発信していきたいと思います。