ボローニャの歴史と文化への敬意を表したコレクション
イタリア生まれの哲学者であり、小説『薔薇の名前』などの作家であり、ボローニャ大学(Alma mater studiorum)で教鞭を執っていたウンベルト・エーコ(Umberto Eco,1932-2016)は、ボローニャ大学についてのインタビューの中でこう語っています。
「学生たちは、夜になると街のポルティコ(柱廊)をうろつき、バールに入り、学んでいることをお互いに話し合っています。ポルティコとバールは、ボローニャ大学の最も美しい側面の一つです。」
エーコは、ボローニャ大学はヨーロッパ最古の大学であると同時に、若さを併せもつ場であるとも言っています。その理由は、学生が大学の外に出てバールで飲みながら自分の考えについて話し合ったり、街のポルティコを歩いたりすることで、大学に若さという命を吹き込むからです。
ボローニャの有名なポルティコの起源はボローニャ大学の創設と密接な関係があります。 ボローニャ大学が創設されたとされる1088年以来、このヨーロッパ随一の研究機関で学ぼうとする学生や学者たちがボローニャの街に集まってきました。
人口の増加が進んだ街には住宅問題が発生しましたが、「家の外側に木の柱を立て梁を渡し、2階部分から道路に突き出すように増築」し、学生たちの部屋(ドムス,domes)としたのが、ポルティコの始まりとされています(参考サイト:madme FIGARO/jp 「ポルティコの街、ボローニャの11月。」)。
16~17世紀からはポルティコはレンガ造りと変わっていきましたが、今でもマスカレッラやストラーダ マッジョーレを歩いていると、ダークウッドの不規則な表面を持つ古代中世の木製のポルティコを見ることができます。
ボローニャの街に張り巡らされたポルティコの下には人々が集うバールなどの店やコミュニティスペースで賑わうようになり、ボローニャの人々をつなぐ機能的な空間として発展してきました。その姿は現代にも引き継がれ、ボローニャの暮らしに欠かせないシンボルとして有名な存在になりました。
ボローニャに拠点をおくスクリーボは、このシンボルからインスピレーションを得て二つのモデルをリリースしました。
二つのモデルの対照的なカラー、黄色のステュディオルムとブラックのドムスは、日暮れを迎え夜の帳の中ポルティコの店々が光を灯しポルティコのアーチ状の形に浮かび上がる、そんなコントラストある光景を表現しています。
(gustavoziniによるPixabayからの画像)
ラドッタコレクションの特徴である丸みを帯びた二重のエンタシス状のペンに、手作業で施された幾筋ものフライス加工は、木製であったポルティコの質感を表現しています。
ラ・ドッタコレクション
イタリアの老舗万年筆ブランド、オマスの伝統を継承したスクリーボは、ボローニャを拠点に、メイドインイタリーにこだわった万年筆づくりに情熱を燃やしています。
スクリーボ「ラ・ドッタ」コレクションは、ボローニャの歴史に由来しています。
中世ヨーロッパ、イタリアの都市国家であったボローニャは「ラ・ドッタ」と呼ばれていました。
ラ・ドッタとは「学識ある人」のことで、これは当時からヨーロッパ中から最新の学術を学びに学生が集まってきた世界最古の大学、ボローニャ大学を擁する都市に向けられた呼び名です。
機械のなかったこの時代に、学術書は数えきれないほど書き写され、学生たちの手に渡り、それをもとに真新しい理論やアイディアについて熱心な議論が交わされ、そしてまた新たな書物が生まれる…
そんな循環が街に活気を生み出し、世代を超えて積み重なり、世界中の学ぶ者にオープンで居心地の良い街としてボローニャにはたくさんの人々が集っています。
スクリーボ ラ・ドッタは、ボローニャの歴史の深みと卓越した文化に敬意を表したコレクションです。
スクリーボのフラッグシップモデル「フィール」のサイズ感はそのままに、多面体のフィールから丸く面を取り、優しくなめらかなフォルムとなりました。
2022年のニューカラーモデル、ステュディオルムとドムスはクリップやペン先をルテニウムコーティングで仕上げ、ペン全体を落ち着いたトーンにまとめ上げています。
ペン芯にはインク馴染みの良いエボナイトを採用、筆記時に快適なインクフローが楽しめます。
特筆すべきは、ペン先のラインアップ。オマス同様上質な書き味の18Kの他、14Kのフレックス仕様は筆圧による文字幅の変化によって、書く人の個性をより表現できるペン先です。
このコレクションには本革とコットン製のソフトポーチが付属し、大切な万年筆を大事に運ぶことができます。
(画像左:ドムス 右:ステュディオルム )
スクリーボ 限定生産品 ラ・ドッタ ドムス 万年筆 は限定219本の生産となります。
(この商品ページの文章はIl Duomoが作成しました)